アンテナブースターは弱い電波を増幅する精密機器ですが、その寿命は平均で約10年と言われています。
もちろん設置場所によってそれよりも短くなったり、逆に長くなるケースは当然起こります。
また故障の原因やメーカーごとの品質によっても平均寿命の長短は変わるので、ケースバイケースと言えるでしょう。
例えばアンテナブースターを屋外に設置すれば、普段から風雨や紫外線にさらされるため、屋内よりも経年劣化が進みやすく、屋内に設置した場合と比べて寿命も短くなる傾向が見られます。
さらに正しい設置の場所や方法を誤れば、その分だけ故障する確率が高まり、同時に寿命も短くなってしまいます。
例えばそもそもアンテナブースターを必要としない、電波の受信レベルが強い場所に設置してしまうと、正常に作動さなくなってテレビ映りが悪くなるだけでなく、装置に過剰な負担がかかり続けることで、故障の確率が高まる原因となります。
あるいはブースターで受信した電波と、そこから送信した電波が混線することで、やはり故障の確率が高まるケースもあります。
これはいわゆる異常発振と呼ばれるもので、ブースターがアンテナと適正な距離に設置されていなかったり、入力ケーブルと出力ケーブルを束ねているような状況になると、発生しやすい現象で知られます。
異常発振になると、ブースターが正常な方向へ電波を増幅できなくなって、電波の逆流やハウリングなどを引き起こします。
もちろんそのまま放置し続ければ、故障によって製品寿命を迎えることになるでしょう。